グローインペイン(鼠径部痛症候群)

グローインペインは、スポーツ競技者に起こる股関節や脚の付け根周辺の痛みの総称です。
特にサッカー選手に多くみられます。

「鼠径部」という言葉は少し聞き慣れないかもしれませんが、いわゆる脚の付け根の部分を指します。

グローインペインは、あくまで「症候群」であり、特定の一つの病気を指すものではありません。
そのため、実際にどの部分が痛みの原因になっているのかを確認することが重要です。

評価

グローインペインは、MRIなどの画像検査だけで痛みの原因が分かるとは限りません。
そのため、問診や身体の動きを確認しながら、痛みに関係している部位や動作を一つずつ絞り込んでいくことが重要です。

当院ではまず、

  • 問診:痛みが出た時期やきっかけ、練習量・トレーニング内容の変化などを確認します。
  • 視診・動作確認:片脚スクワットなどの動作から、股関節や膝の動き、体幹のバランス、身体の使い方などを確認します。
  • 触診:股関節周囲や鼠径部などを触診し、痛みが再現される部位や圧痛の状態から、痛みに関係している場所を推測します。

これらの評価を組み合わせ、「どこに問題がありそうか」だけでなく、
「なぜそこに負担がかかっているのか」まで考えながら、治療方針を決めていきます。

なお、強い痛みが続く場合や、骨・関節などの損傷が疑われる場合には、
必要に応じて整形外科などの医療機関で画像検査を受けていただくこともあります。

治療

グローインペインの改善では、痛みのある部分だけを治療するのではなく、股関節に無理な負担がかかっている原因を見直すことが重要です。

特にスポーツでは、体幹の安定性が低下したり、身体の使い方に乱れが生じたりすると、
その分を股関節周囲が補うことで負担が大きくなることがあります。

多くの場合2~24か月の間に練習量や内容に変化があることが多いです。
そのため練習内容を確認して心当たりがないかを調べます。
本人に心当たりがあることも多く、フォームの崩れがみられることがよくあります。

そのため当院では、体幹機能や運動機能を取り戻し、身体の使い方を修正することを治療の基本としています。

体幹トレーニング・運動機能を取り戻す

体幹の安定性や股関節周囲の機能を確認し、現在の身体の状態に合わせた運動療法を行います。

単純に筋力をつけるだけではなく、体幹と股関節をうまく連動させ、スポーツ動作の中で身体を効率よく使えるようにすることを大切にしています。

マッサージ・ストレッチ

股関節周囲や臀部、内転筋など、負担がかかっている筋肉の状態を確認し、必要に応じてマッサージやストレッチを行います。

筋肉の緊張や柔軟性の問題を改善しながら、運動療法と組み合わせて身体全体の動きを整えていきます。

グローインペインでは、痛みのある場所だけを繰り返し治療しても、身体の使い方が変わらなければ再び負担がかかることがあります。

「痛みを取る」だけで終わらせず、体幹機能を取り戻し、身体の動きを修正することで、股関節に無理な負担をかけずにスポーツを続けられる身体をつくることを目指します。

大腿骨臼蓋唇インピンジメント(FAI)

大腿骨臼蓋唇インピンジメント(FAI)はしゃがみこんだ時に大腿骨頭と股関節唇が接近し、
周りの筋肉や関節包を挟み込むことによって痛みが出るものです。
特徴としては深くしゃがみこんだ時に股関節に痛みが出ます。
骨の出っ張った部分により3つに分類されます。
〇CAM型
〇PINCER型
〇混合型(CAMとPINCER両方)

診断

病院ではレントゲンでの撮影が行われます。またFADDIR(ファディール)テストなどで診断できます。

治療

大腿骨臼蓋唇インピンジメントでは股関節回りの筋肉(小殿筋・大腿直筋回頭枝)の動きや悪さや、お尻の筋肉(大殿筋)の硬さが影響します。
ですのでマッサージと鍼、ストレッチによる筋機能の回復と柔軟性獲得が重要です。
それでも治らない症例では手術が適応されます。

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